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とある作曲家の日常

作曲家・ピアニストをしている私の日々の生活を綴ります♪

最小限で最大限の効果を

 「良いメロディ」は努力すれば作れるが、「名作メロディ」「永遠のメロディ」と呼ばれる後世にまで残るようなメロディを作るのは、努力だけでなく、インスピレーションと、勢い(笑)と、時代の流れに乗る/あるいは乗らない、ことなど、色んな要素がからまってできる気がする。
 どちらにしても、簡単には作れない(から作曲家は永遠に苦労するのだ)。ここでひとつすごすぎるクラシックの名曲メロディについてご紹介する。


「わたしのお父さん」

(プッチーニ作曲、歌劇「ジャンニ・スキッキ」よりラウレッタ(ソプラノ)のアリア)

 

 題名でもしわからなくても聴いたらわかるのでYouTubeで見てみてください。衝撃なのは何といっても冒頭の4小節の歌メロディだ。
ん?これのどこが凄いの?普通に心に染み入るメロディじゃないの。
 ちがうちがうNonNonNon!!
 最初の4小節のハーモニー(和音)をよく聴いてみる。・・すべてコードネームで言うとA♭。この曲はAs-dur(変イ長調)だ。つまり4小節間、Ⅰ度の和音(トニック)のみで引っ張っているのである!

 これは自信のあるメロディメーカーにしかできないことである。さあ、4小節間、ひとつの和音だけ使ってメロディを作ってみよ。結果は恐らく見るも無惨なメロディができあがるだろう(僕も何度も挫折したorz)。そういえば、マライア・キャリーのデビュー曲(F-dur)も名曲だったが、曲の最初から最後までコードは2つ(!!)しか使っていなかった。あれも衝撃だったなぁ。もちろんそれが名曲になるのは、マライアの歌唱力と、作曲家の腕やアレンジが伴ってこそのことだが。

 話を「わたしのお父さん」に戻すと、ここに名作を創るためのヒントがある。

 

・よく聞くと、メロディラインが結構ダイナミックに動いている(1オクターブ跳躍するなど)。
・よくよく聞くと、メロディが非和声音を使ったりしてコードとからまって色気が出ている一瞬がある
・根音が小節毎に順に動いていくことで同じコードでも飽きさせない。


 さあ、これらをヒントにあとは良いメロディのための忍耐と訓練だ。
 決してⅠ度の和音しか使ってはいけないというルールを作って延々メロディを作ってみよう。そのうち1000個に1つは(笑)名作メロディが生まれるだろう・・!

 (思い出したがかの小室哲哉も若い頃ギターで3コードだけ使って延々曲作りをしていた時期があったという話しを聞いたことがある。コードの種類を絞ることで、メロディが磨かれてシンプルでも印象的な曲が作れるようになったのであろう。)