とある作曲家の日常

作曲家・ピアニストをしている私の日々の生活を綴ります♪

「作曲家」という職業

 作曲という作業は、とても地味だ。音楽に関する職業のうち、ひとりだけでしかできないのは作曲家くらいではないだろうか?リサーチで色んな本や資料を読んだり、依頼されるケースでは、依頼者とコンセプト等について事前打ち合わせするのだが、いざ創作の段階になると基本的に作業はひとりでコツコツ楽譜を書いていく。

 作品が世に出れば、色んな方々に演奏していただけるし、ピアニストとして自分の曲をコンサートで演奏したりする。コンサートでは演奏を通してお客さんとの(無言の)コミュニケーションができる。「ハレ」の場に出るのである。

 もし皆さんに作品を喜んでいただけたなら、作曲している時の苦労や苦悩はまさに<喉元過ぎれば熱さ忘れる>で、新しい作品に取り掛かる際には心配よりもワクワク感でいっぱいになっている。

 幸い、私は創作のアイデア・インスピレーションにはそんなに困らない。メロディの引き出しは無限にあると言っても過言ではない。しかし、それを曲としてまとめ、聴き手の立場で構成を考えていく作業がなかなか苦労するのである。その苦労を乗り越えても、まだ「記譜」というこれまた地味な作業が待っている。

 楽譜はソフトウェアを使って仕上げていくが、音を打ち込んだだけでは人さまに見せられる状態ではない。演奏者が見やすいように「清書」をしなければいけないのである。これが結構細かい作業で大変なのだが、「もうすぐ完成する!」というゴールが確実に見えてきているので、何とかこれも乗り越え、そしてやっと人に提供できる形にできるのである。